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排除と差別の社会学

排除と差別の社会学

好井裕明(編) 
有斐閣 2009年発行

解説

同性愛や障害者、被差別部落など多種多様なテーマを通して、私たち自身の置かれた「差別的日常」のありようを浮かび上がらせる一冊である。ハンセン病差別問題を論じた章では、熊本県黒川温泉のホテルが菊池恵楓園入所者の宿泊を拒否した事件を取り上げ、謝罪を拒んだ園に送付された大量の匿名の誹謗中傷文書に着目。そこから見えてきたのは、入所者たちが「弱者」であるうちは同情するが、権利を主張する「強者」となることは許容しないという心理だった。そこから著者は差別問題を人権侵害という既存の文脈にあてはめて捉えるのではなく「まずは目の前の病者と向き合う」ことの大切さを説いている。