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『隔離の記憶』増補新版が出版されました

Topics 2017.5.29

topics_img170526ハンセン病療養所に生きる人びとの思いや生きざまを丁寧に取材し、話題となった高木智子さん(朝日新聞記者)の『隔離の記憶』の増補新版が出版されました(彩流社)。2011年に朝日新聞夕刊に連載された「ニッポン人脈記『隔離の記憶』」を大幅加筆して2015年に出版されたものに、さらに新しい要素が加えられています。

著者の高木さんからは、本サイトに、次のように増補新版についてのコメントをいただきました。

今回の増補新版では、ふたつの新しい要素を盛り込みました。

ひとつは、「らい予防法廃止」から20年、国家賠償請求訴訟の熊本地裁判決から15年の節目を迎えた2016年春に行った全国13療養所アンケートと入所者100人の声を集めた結果です。隔離政策が終わり、当事者の身の回りはどうかわったのか、隔離してきた社会との関係はどう変わったのか。変わったことと、変わらなかったことを、データで示そうと試みた結果、いまも本名を伏せて生活している人が38パーセントにのぼることがわかりました。遺骨も半数以上がふるさとに戻れないままであることが裏付けられました。100人の方々には、面会やアンケートの形で「声」を聞かせていただきました。「かなえたいこと」「伝えたいこと」という質問に対し、いまも療養所に暮らす人たちからは切実な声が聞かれました。

もうひとつは、小説『あん』で知られる作家のドリアン助川さんから解説をいただきました。『あん』の主人公、徳江さんのモデルになった鹿児島の星塚敬愛園の上野正子さんが結んでくれたご縁です。『あん』では「どらやき」が登場し、上野さんはお客様にふるさとの沖縄のお菓子「サーターアンダーギー」をふるまってくれます。かつて療養所ではお菓子やお茶をふるまっても「外」の人は手をつけない時代がありました。だからこそ、いっしょに集い、食べること、そしてそこに、語らいや笑顔がうまれることは、療養所で暮らしてきたみなさんにとって、かけがえのないことなのです。

『隔離の記憶』では、療養所に生きた人たちが、それぞれの人生を全うしていく姿を描いています。療養所に生きたみなさんの声を聞いていただきたい。そして、機会があれば、出かけてほしいと願っています。

*本サイトの高木智子さんへのインタビューも合わせてご覧ください。