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【連載】学生が見た「THINK NOWハンセン病」#4:大島に天皇・皇后両陛下が訪れる力になりたい ~新しい大島の未来に向けて~

Topics 2019.5.24

p1p2p3p4p5p6thinknowlogo日本財団は、一人でも多くの人がハンセン病への理解を深め、偏見や差別について
考える機会をつくるための運動「THINK NOW ハンセン病」を行っています。
キャンペーンは、ハンセン病についての正しい理解を促進し、企画者・参加者が共に学びの機会を得られる活動であればロゴを使用するだけで、どなたでも参加できます。

今回は、香川県の中学生津田さんの国立療養所大島青松園での活動をご紹介します。

大島に天皇・皇后両陛下が訪れる力になりたい ~新しい大島の未来に向けて~

香川大学附属高松中学校 3年 津田真帆

 桜が咲き始めた2019年3月31日(土)、私は大島臨海学校に参加するために大島を訪れました。ハンセン病について学びたいと思い、1月に訪問して以来2度目の訪問でした。前回、大島について沢山学びを深めたつもりでしたが、まだまだ私の知らない“過去”がたくさんありました。

 一回目の訪問は友人と一緒に島のことを勉強しましたが、今回は「臨海学校」という、島内見学や回復者との交流、お花の植え込み、浜辺の清掃などを通して大島を肌で感じてもらう企画に参加しました。参加者は44人で、2才から70才の幅広い世代の方々でした。

 船を降りて、まず私たちを迎えてくれたのが、たくさんの立派な佇まいの松でした。その松は大地から大きく空に向かって伸びていて、まさに大島の長い歴史を物語っているようで、生命力にあふれた島だと感じました。

 さらに奥に行くとひっそりと佇む一つの石の台がありました。それには無数のカキの殻が張り付いており、それはまるで知られたくない過去を覆い隠しているようでした。

 この台の上では、亡くなった方の病気の原因について知るために、医者が遺体にメスをいれていたそうです。入所者は入所時に、亡くなった後、メスをいれられることへの同意書を強制的に書かされていたようで、それは「あなたたちはここで息をひきとる」ということへの同意書だったのかもしれません。ここ大島で起こってきたことを、また一つ知ることになりました。

 その後、入所者の自治会副会長の野村さんのお話を伺いました。そこでは大島をただ見ただけではわからない真実が浮き彫りになってきました。最も印象に残っていることは、患者さんに対するひどすぎる扱いです。

 島に行く際、船内に乗せてもらえずロープにつながれた小舟の「むしろ」の上に乗せられて海を渡って来たこと、700人の患者さんに対し、看護師が18人しかおらず重症者を軽症者に看護させていたこと、大工仕事、炊事、火葬の手伝いをさせるなど、まだまだありますが、直接語られる言葉の一つ一つを書きながら、胸が締めつけられるので、これくらいにしておきます。国は、なぜこのような残酷なことを平気でできたのか私にはわかりません。同じ人間なのに、感染力が強いという勘違いによって多くの人たちの一度きりの人生が狂わされたことに憤りを覚えました。

 最後に野村さんへの質問が一つありました。それは「大島の未来について」でした。この問いに対して、野村さんは天皇陛下のお話を取り上げました。天皇、皇后両陛下はハンセン病患者に心を寄せており、全国の療養所をお訪ねになりました。しかし唯一、大島に色々な理由で来ることが出来ていないのです。その理由の一つは港が小さいことで、大きな船を着岸することが出来なかったそうです。また、小豆島行きのフェリーが大島を経由して多くの人が島を訪れてほしいという希望もありました。この2つの願いをなんらかの形で実現させるために力になりたいと思いました。

 今回の訪問でさらに大島への思いは人一倍強くなったと言える自信はあります。だからこそ、53名の入所者の方に寄り添って「新しい大島」を作っていきたいのです。しかし、53名の入所者の平均年齢は84歳になっているため、もう時間がありません。だからこそ、私たち若い世代の力で入所者の皆さんの思いを形にしていくしかないのです。

2019年4月

写真:母と一緒に撮影した大島の美しい自然の写真をご紹介します。

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日本財団「THINK NOW ハンセン病」 キャンペーン
監修:日本財団 特別事業運営チーム 日高将博
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