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【連載】学生が見た「THINK NOWハンセン病」#8:沖縄で学んだこと

Topics 2019.6.5

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日本財団は、一人でも多くの人がハンセン病への理解を深め、偏見や差別について考える機会をつくるための運動「THINK NOW ハンセン病」を行っています。キャンペーンは、ハンセン病についての正しい理解を促進し、企画者・参加者が共に学びの機会を得られる活動であればロゴを使用するだけで、どなたでも参加できます。


 

今回は、順天堂大学国際教養学部 橋本瀬奈さんの活動をご紹介します。

順天堂大学国際教養学部 橋本瀬奈

「沖縄」。あなたは何を想像しますか?綺麗な海、白い浜辺、温暖な気候、三線の音色、美味しいごはん、オリオンビール…。誰もが一度は行ってみたい場所ではないでしょうか。

私は幸運なことに、このたび、5度目となる沖縄を訪問し、「ハンセン病問題に関するシンポジウム ~人権フォーラム 2018 in 沖縄~」にボランティアスタッフとして参加しました。ミュージシャンの方々の素敵な歌、沖縄の高校生たちによる力強いプレゼンテーション、そして子どもたちによる演劇「光の扉を開けて」、どれも感慨深く、考えさせられるものでした。

私は高校一年生からハンセン病問題を学んでいます。私はハンセン病回復者の方々とお話しするのが、とっても大好きです。名前、ふるさと、子どもを作る権利まで奪われ、家族から死んでくれとまで言われた回復者の方々。想像してもしきれないほどの辛い経験をしてきたのに、彼らは誰にでも分け隔てなく優しい。それは、きっと、もう誰にも自分と同じ経験をさせてはならないという復讐や敵対を越えた思いなのではないかと私は感じます。

わかってはいるけれど、どことなく、ハンセン病問題は「過去の出来事」と思ってしまうことがたまにあります。そんな私に、ハンセン病は過去のものではなく、現在にも繋がることがたくさんあると思わせてくれるものが、演劇「光の扉を開けて」でした。これは、HIVに感染した女子高生がハンセン病回復者の方と出会うことで偏見や差別に負けない勇気を取り戻していくというストーリーです。劇中、何度見ても知らぬ間に涙が頬を伝ってしまうシーンがたくさんあります。これが現実に起こったことなのかと考えると憤りを感じます。そして、その暗闇の中でも自らに光を灯し未来を切り開いていった回復者の生き様に心打たれます。
それに影響され強く生きようと決意した主人公メグは、女子高生という自分と年齢が近いこともあり、自らの生き方を振り返させられるところもあります。

HIVやエイズに関する問題は、私たちに直接関係のある問題ではないでしょうか。SNSやネットで簡単に情報が手に入る現代では誤った情報が流れてくる確率はとても高いです。だから私たちは、どんな情報でも鵜呑みにせず、判断するためのフィルターを自分自身で作っていかなければならなりません。それが知識です。私たちには正しく知って正しく行動する力が求められているのです。

私が沖縄に行って必ずお会いするおじぃとおばぁがいます。彼らはハンセン病回復者で、今回のシンポジウムにも参加していました。彼らがマイクを持って聴衆に訴える力強さは、かっこいいと同時に、私たちに未来が託されているように感じます。

ハンセン病回復者の平均年齢は80歳を超えています。悲しいことですが、回復者の方々がいなくなる時は、もうすぐそこに迫っています。さらに、ハンセン病回復者には子どもがいない方が多いため、ハンセン病問題の歴史を語り継いでいくことはとても難しいことだと思います。だからこそ、今回のようなシンポジウムに参加し、ハンセン病問題を知るきっかけに出会った一人一人が自ら行動してほしいと私は願っています。それは知ってしまった人間の義務です。まずはハンセン病療養所に足を運んでみませんか?

今回、沖縄で出会った全ての人から私はたくさんの学びを得ました。「いちゃりばちょーでー"」(※)です。またどこかで再会できる日を心待ちにしています。
※沖縄の言葉で一度出会ったら、みな兄弟のこと