ハンセン病制圧活動サイト Global Campaign for Leprosy Elimination

Leprosy Sanatoriums & Resource center in Japan / 日本のハンセン病療養所・資料館

Kikuchi Keifuen

菊池恵楓園

熊本県

ハンナ・リデルゆかりの地、
熊本にひらかれた全国最大規模の療養所

1909年(明治42年)九州7県連合九州癩療養所として開設。1911年(明治44年)に県知事訓令により九州療養所に改称、さらに1941年(昭和16年)に国に移管されると同時に「国立療養所 菊池恵楓園(きくちけいふうえん)」へと名称をあらため、現在に至っている。菊池恵楓園の総面積はおよそ約18万坪、園の周囲は3.9㎞におよび、日本最大の国立療養所として知られている。2009年(平成21年)には創立100周年を迎えた。園内には1951年(昭和26年)に建てられた旧事務本館をリニューアルした「社会交流会館(歴史資料館)」もあり、社会交流や啓発活動などをおこなっている。

熊本市内には肥後熊本藩初代藩主、加藤清正を祀った「本妙寺」があり、参道には全国から多くのハンセン病患者たちが集まっていた。患者たちの目的は清正公信仰による御利益であったとも、本妙寺を訪れる参拝客からの喜捨であったともいわれ、本妙寺近くの部落などに集まって暮らしていたという。

この様子を見て衝撃を受けたイギリス聖公会(CMS)のハンナ・リデル女史がハンセン病患者救済のための病院「回春病院(かいしゅんびょういん)」を開設したのが1895年(明治28年)。ほぼときを同じくしてパリ外国宣教会カトリック司祭だったジャン・マリー・コール神父も「待労院(たいろういん)」を熊本市内に開設している(1898年/明治31年)。菊池恵楓園は、こうした救済の歴史とも深いかかわりをもっている。

国立療養所 菊池恵楓園

http://www.nhds.go.jp/~keifuen/

〒861-1113
熊本県合志市栄3796
Tel. 096-248-1131 / Fax. 096-248-4570

アクセス:

  • ・JR鹿児島本線上熊本駅下車 熊本電鉄(北熊本乗り換え)にて再春荘病院前下車 [約30分]
  • ・熊本空港より産交バスにて熊本交通センターへ、電鉄バス(菊池温泉行)乗換にて再春荘病院前下車[約80分]
  • ・熊本空港よりタクシーで約35分

View Points

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  • コンクリート塀

    入所者の無断外出や逃走を防止する目的で1929(昭和4)年につくられた、コンクリート製の塀。「隔離の壁」とも「あつい壁」とも呼ばれてきました。塀は恵楓園の西側と北側にありましたが、現在は北側の壁が一部残されています。その西の端のほうに、子どもたちが野球のボールを拾いにいくためにこっそり出入りしていたという、小さな穴が開いています。塀のない東側には深さ2メートルほどの壕が掘られていました。

  • 旧監禁室

    1916(大正5)年、ハンセン病療養所の入所者たちに対して、療養所長が懲罰を与えることのできる権限=懲戒検束権が法的に認められました。恵楓園ではそれにもとづいて、翌年に監禁室が設置され、無断外出をした者や規則違反をした者たちが収容されました。1931(昭和6)年になると所長の懲戒検束権はさらに強化され、恵楓園には1938(昭和13)年に熊本県警による留置所も設置されました。留置所は1955(昭和30)年に解体、撤去されています。

  • 旧納骨堂

    旧納骨堂は、遺骨になっても園を出ることが叶わない入所者たちのために、1939(昭和14)年、全国宗教団体の寄附によってつくられたものです。この納骨堂が老朽化したため、1976(昭和51)年に、現在使われている納骨堂が新たに建立されました。新納骨堂のために、多くの入所者たちが寄附を行いました。

  • 旧火葬場跡

    ハンセン病療養所はどこでも、亡くなった入所者の火葬を地元の施設が引き受けてくれないため、同じ入所者の手によって所内の火葬場で死者を火葬するということが当たり前のように行われていました。恵楓園の火葬場は1950(大正9)年から1960(昭和35)年まで使われていました。現在その跡地には「やすらぎの碑」が建てられ、付近は「やすらぎの森」として整備されています。

  • 記念公園いこいの丘

    恵楓園では、開所からまもない時代から、子どもたちに対して入所者による寺子屋式の教育が行われました。戦後になると正式に公立の小中学校の分校が園内につくられるようになりました。現在その跡地は、四季折々の花が楽しめる「記念公園いこいの丘」として整備されています。

菊池恵楓園 社会交流会館(歴史資料館)

1951年(昭和26年)に菊池恵楓園事務本館として建築された建物を2006年(平成18年)にリニューアル。館内には4つの展示室のほか、交流室、図書閲覧室、講義室などが設けられている。展示室内には園の西側と北側に建てられていたコンクリート製の壁「隔離の壁」の一部や、かつて入所者が暮らしていた生活空間などが再現されている。

菊池恵楓園 社会交流会館(歴史資料館)

http://www.nhds.go.jp/~keifuen/siryoukan.html

〒861-1113
熊本県合志市栄3796
Tel. 096-248-1131 / Fax. 096-248-4570

アクセス:

  • ・JR鹿児島本線上熊本駅下車 熊本電鉄(北熊本乗り換え)にて再春荘病院前下車 [約30分]
  • ・熊本空港より産交バスにて熊本交通センターへ、電鉄バス(菊池温泉行)乗換にて再春荘病院前下車[約80分]
  • ・熊本空港よりタクシーで約35分
開館時間
10:00〜16:00
入館料
無料
休館日
水曜、日曜、年末年始、祝祭日

菊池恵楓園 社会交流会館(歴史資料館)のあゆみ

  • 2006年(平成18年)4月

    社会交流館/歴史資料館として設立。建物は1951年(昭和26年)に建てられた旧事務本館をリニューアルしたもの

  • 2013年(平成25年)4月

    リニューアルオープン

国立療養所 菊池恵楓園にまつわる人々

  • 井上 佳子(RKK熊本放送テレビ制作部チーフディレクター)インタビュー
  • 志村 康(国立療養所菊池恵楓園 入所者自治会 全寮協菊池支部会長)インタビュー
  • 遠藤邦江(菊池恵楓園入所者)
  • 杉野桂子(菊池恵楓園入所者 / 自治会菊池野編集長)

写真で見る「国立療養所 菊池恵楓園 / 菊池恵楓園 社会交流会館(歴史資料館)」