Books on Leprosy / ハンセン病図書室
高山 文彦
小学館 2014年発行
解説
日本の競艇事業を創設、莫大な額を慈善事業に投じた笹川良一。「日本のドン」「政財界の黒幕」と呼ばれたこの人物こそ、実は多くの誹謗中傷にさらされ続けた「戦後最大の被差別者」であった。そう指摘する三男の陽平は、利権目当てに父に群がる人々と闘い、ジャーナリズムのバッシングを受けながら多面的に事業を拡大。とりわけハンセン病制圧活動は、父子二代にわたるライフワークとなった。薬の無償提供を実現するため、世界のトップと会談する一方で、もっとも貧しい村に赴き、患者の手を自らの手で包み、その声に耳を傾けた。稀有な父子の生きざまに圧倒される一冊。