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病いの共同体: ハンセン病療養所における患者文化の生成と変容

病いの共同体: ハンセン病療養所における患者文化の生成と変容

青山陽子 
新曜社 2014年発行

解説

ハンセン病療養所は、国が管理運営する隔離収容施設であると同時に、そこに暮らす人々にとっては、お互いに支え合いつつ生を営む場としての共同体だった。著者は、多磨全生園の入所者40名へのインタビューをもとに、自治会活動、日々の作業における相互扶助、看取りのあり方など、療養所内ではぐくまれた患者文化のありようを多面的に描き出ことにより、孤独や不幸といったステレオタイプな見方には到底収まらない、入所者たちがみずから紡いだ「生」の多彩さと豊饒さを浮かび上がらせている。