Books on Leprosy / ハンセン病図書室
西尾雄志
皓星社 2014年発行
解説
本書は、医療人類学と医療社会学という新たな視点から、ハンセン病に纏わる負の〝神話〟を分析し、それを無効化するための方法を探った書物である。アーレントの〝現れ〟、ソンタグの〝隠喩としての病い〟、メルッチの〝脱物質的社会〟などの切り口から差別問題を捉え直したあと、中国のハンセン病回復村における国際ボランティア活動の実践例が紹介され、その可能性と問題点が検討されている。著者の幅広い視野と清新な思考が随所に光る。