Books on Leprosy / ハンセン病図書室
高山 文彦
七つ森書館 2012年発行
解説
「人生は暗い。だが、たたかう火花が、一瞬暗闇を照らすこともあるのだ」。ノンフィクション作家・高山文彦が北条民雄の秘められた生涯を蘇らせた画期的評伝。世間から隔絶された療養所で紡がれる、人間存在の根本を問う作品の数々は、当時の文壇に大きな衝撃をあたえた。小説『いのちの初夜』が文學界新人賞を受賞し、北条は一躍の寵児となるが、容赦ない病に心身を蝕まれ、閃光のごとき人生の幕を閉じた。才能を見出した川端康成が北条の作品を世に放つべく、文壇を奔走する姿も克明に描かれている。