Books on Leprosy / ハンセン病図書室
柴田隆行 山下道輔
社会評論社 2011年発行
解説
「療養所の入所者が高齢化し、隔離生活の実態を知る人が少なくなりつつある今こそ、文献や記録を集め、後世に伝えていかなければならない」。多磨全生園自治会の松本馨の思いから、ハンセン病図書館づくりははじまった。その意を受けて資料収集にあたったのが、自治会文化部の山下道輔だった。古本屋と全国の療養所を巡り、入所者や遺族にも資料寄贈を頼んで回った。本書は、山下自身が当時を振り返りつつ、図書館への熱い思いを吐露した一冊。 2008年の閉館とともに、集められた資料の一部は国立ハンセン病資料館の一隅に移され、訪れる人に療養所での過酷な日々を伝え続けている。