Books on Leprosy / ハンセン病図書室
成田 稔
明石書店 2009年発行
解説
本書は、国立ハンセン病療養所多摩全生園で40年近く医師として勤務した著者が、近代日本のハンセン病対策の歴史をつぶさに検証しながら、自らの反省も含め、同じことを二度と繰り返さないための教訓を真摯に問い続けた書物である。大量の資料を駆使した論考は500ページを越え、幾多の政策が決定されていった過程が丹念に辿られている。〝加害者〟の側にいた人間が自ら「加害の根源」を探求した本書は、ハンセン病問題についての必読の書と言えるだろう。