Books on Leprosy / ハンセン病図書室
熊本日日新聞社 (編)
岩波書店 2007年発行
解説
2003年、熊本で起こったハンセン病元患者宿泊拒否事件は、偏見と差別の根深さを思い知らせ、多くの波紋を投げかけた。本書は、事件の経緯を丁寧に辿りつつ、元患者たちが味わってきた苦悩を振り返るだけでなく、国家賠償訴訟後、様々な形で「生きなおし」をはかる元患者たちとそれに寄り添い支援する人々の絆を描いていく。若者たちを始めとする偏見のない心が、人権を尊重する新たな社会を築いていく様子に、明日への希望の灯がともされる一冊である。