Books on Leprosy / ハンセン病図書室
和泉 眞蔵
シービーアール 2005年発行
解説
京大医学部は、明治期の皮膚科教室開講以来、ハンセン病患者の診療に取り組み、1931年の癩予防法制定以降、戦後まで続いた絶対隔離政策の中にあって、京大病院敷地内での療養所外診療を継続した。著者はそこで医学を学んだ後、インドやインドネシアなどの蔓延国に身を投じ、治療と研究に没頭。研究グループの一員として、患者の隔離が感染予防にほとんど役立たないことを世界で初めて証明した。国家賠償訴訟では、ハンセン病専門家として意見書を提出、国の政策の矛盾と非人道性を痛烈に批判して勝訴に貢献。「ハンセン病からこそ、私はすべてを学んだ」そう語る著者の、信念と行動力に満ち溢れた人生の軌跡が、本書には鮮やかに描き出されている。