Books on Leprosy / ハンセン病図書室
平沢保治
かもがわ出版 2005年発行
解説
14歳で多摩全生園に入所した平沢さんが、世界中のハンセン病療養所を旅して、回復者たちと語り合った10年の記録。中国では家族に囲まれて暮らす入所者を羨み、スペインでは誇りをもって社会と闘う元患者の姿に感動し、アメリカではカーヴィル療養所の開放的できめ細かい対応に驚いた。皮肉なことに、最後まで訪れることのできない「世界でいちばん遠い場所」は、肉親や親戚の住む故郷だった。自分の病が知られても身内が差別されず、胸を張って里帰りできる日が来るまで、平沢さんの旅は続くのかもしれない。