Books on Leprosy / ハンセン病図書室
神谷 美恵子
みすず書房 2004年発行
解説
本書は、長島愛生病院に精神科医として勤務し、ハンセン病患者と身近に接してきた著者が、極限状態に置かれた人たちの苦しみや哀しみに寄り添いながら、人はいかにして絶望の淵から蘇り、「生きること」の実感と本当の意味を取り戻していくかを真摯に問いかけた書物である。ハンセン病者、死刑囚、兵士など数多くの事例を紹介しながら、人間の心の襞を丁寧に繙いていく神谷美恵子の思索と文章は、時代を超えて、今も読む者の胸を強く打ちつづける。