Books on Leprosy / ハンセン病図書室
伊波敏男
人文書館 2007年発行
解説
苦悩と絶望のなかでも希望を捨てず「花」に出逢おうとする。人を殺すのも人、活かすのも人。————本書は、アメリカ占領下の沖縄でハンセン病を発症した著者が、家族や知人に支えられながら、勇気をもって運命に立ち向かう姿を綴った自伝である。高校進学のための本土への〝密航〟を始め、波瀾万丈の生涯を送った著者の大いなる優しさと揺るぎのない人間愛が、読む者の心を洗う。ハンセン病文学史に新たな頁を記す、香気にみちた一書である。