Books on Leprosy / ハンセン病図書室
サマセット・モーム(著) 金原 瑞人(訳)
新潮社 2014年発行
解説
芸術の魔力にとりつかれた非凡な画家の生涯を描いたモームの代表作。株の仲買人だったストリックランドは、突如平穏な生活をすて、欲望の赴くままに絵画の創作に没頭する。世間の因習から逃れ移住したタヒチの島でハンセン病に冒されるが、崩れゆく身体にうろたえることなく、人間の想像を凌駕する大壁画を完成させる。主人公の苛烈なエゴイズムをことごとく描写しながらも、理想を生きる純粋な魂を思わせる物語の力は、現代でもなお色あせない。