Books on Leprosy / ハンセン病図書室
荒井祐樹
書肆アルス 2011年発行
解説
ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合い、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。本書は、ハンセン病者への隔離政策がきわまる1930~1950年代に創作された文学作品を対象に、研究・考察した10章から成る。極限状態の中で患者が紡いだ「生の証し」を丹念に読み解き、近代社会が抱えていた問題を浮き彫りにするとともに、人間にとっての表現活動とは何かにせまる重厚な文学批評論。