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日本ファシズムと医療ーハンセン病をめぐる実証的研究

日本ファシズムと医療ーハンセン病をめぐる実証的研究

藤野豊 
岩波書店 1993年発行

解説

ナチス・ドイツの医療政策が、優生主義に基づき精神病患者や障がい者を排除するものであったのに対し、日本ファシズム下の優生主義は、ハンセン病患者への処遇において、もっとも鮮明にあらわれた。それは、貞明皇太后などによる「皇恩」の強調によって巧みに隠されてはいたものの、強制収容所に匹敵する残虐で非人道的なものであった。本書は、無癩県運動、断種の実施、特別病室の設置など、戦前から戦中にかけて日本が辿った隔離政策のプロセスを丹念に辿りつつ、その裏側に流れるファシズムの論理をあぶり出した一冊だ。