Books on Leprosy / ハンセン病図書室
三島由紀夫
新潮社 2002年発行
解説
本書には、三島由紀夫の最後の戯曲『癩王のテラス』が収録されている。12世紀末、長い戦から帰還したカンボジア王ジャヤ・ヴァルマン七世は、御仏への感謝のために寺院「バイヨン」建立に取り掛かるが、左腕に浮かぶ赤い斑紋から不治の病「癩病」に冒されたことを知る。病は日増しに深刻化するが「自分の肉体は崩壊しても精神はバイヨンに移行する」と寺院落成に邁進。王の病と狂気が悲劇の渦となり、周りの人間たちも巻き込まれていく。2016年、約半世紀ぶりに宮本亜門演出により舞台化され、俳優・鈴木亮平が主役を演じた。