人類遺産世界会議の最終日は、二日間の総括として、今後の課題などについて全員参加による活発なフリーディスカッションがおこなわれました。午後には東京宣言の発表、決意表明への署名などがあり、延べ500名以上が参加した人類遺産世界会議は和やかな雰囲気のなか閉幕しました。
人類遺産世界会議最終日となったこの日の午前中は、会期中におこなわれたセッションの総括、今後の課題などについて参加者全員によるフリーディスカッションがおこなわれました。冒頭ファシリテーターを務めるジョセフィーン・ロバートソン氏、ジリアン・マーガレット・トムリンソン氏から「ハンセン病患者や家族は当時、なぜ差別や隔離といった仕打ちをうけなければならなかったのか。差別が起きてしまったのはなぜか」「さまざまな側面をもつ世界各地の歴史を保存していくために文書のデジタル化や翻訳をどう進めるべきか」「今までの成果を今後にどう活かすか」といった各テーマごとの議題が提案され、出席者はそれにもとづいて意見を交換。前日に引き続きソーシャルメディアを利活用することの有用性、各国ウェブサイトで紹介されているパーソナル・ヒストリー、療養所紹介などのコンテンツを翻訳・集約する必要性などについても議論がおこなわれました。
30日午後には東京宣言の発表と決意表明パネルへの署名がおこなわれました。期間中シンポジウムに参加した人数は発表者30名(17カ国)、各セッションの出席者も延べ500名以上におよんだとのこと。閉会挨拶に立った笹川記念保健協力財団理事長・喜多悦子氏は「初日の特別講演で宮崎駿監督が『おろそかに生きてはいけない』と繰り返しおっしゃいましたが、私たちは差別に苦しむ人たちの姿、過去の歴史からそのことを学ばなければならない。3日間のシンポジウムで使命を共有できたことをうれしく思います」とコメント。和やかな雰囲気のなか人類遺産世界会議は閉幕しました。
写真左上:決意表明パネルに署名するシンポジウム参加者たち
写真右上:今回のシンポジウムに集まった発表者は世界17カ国、30名におよんだ
写真左下:笹川記念保健協力財団理事長・喜多悦子氏は閉会挨拶で「使命を共有できたことをうれしく思います」とスピーチ
写真右下:シンポジウム閉会後におこなわれた参加者全員参加による記念撮影