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続報! 多磨全生園の発掘調査、進む(追記あり)

Topics 2016.12.20

dsc0982611月から始まった多磨全生園の堀の遺構の発掘調査が順調に進み、いよいよその規模とともに堀にまつわる歴史が明らかになりつつあります。

dsc09960発掘調査が行われているのは、全生園の敷地内の全生学園跡地。1909(明治42)年に全生園が開設された当初に存在していたとされる堀の遺構が、この調査によってついに発見されました。発掘された遺構は深さ2メートル、幅4メートルもの規模で、当時はさらにその傍らに高さ2メートルの土塁がつくられていました。堀と土塁は当時の全生園の敷地を囲むようにして全長1.1キロメートルに及び、入所者を完全隔離するとともに、外部からの侵入者を防ぐ目的もあったと言われています。工事に携わったのは地元の農家などで、ハンセン病療養所の誘致に反対する住民を慮って発注されたとのこと。

dsc09948堀と土塁は、1925年から30年ごろにかけて、敷地の拡張に伴い撤去されましたが、発掘調査を進める国立ハンセン病資料館学芸部長の黒尾和久さんによると、じつは堀の埋め戻しは土塁の撤去よりも前におこなわれていたということがわかってきたそうです。

「堀をつくって出た土で土塁をつくったわけですから、その土塁を崩して堀を埋め戻せばいいはずなんですが、当時の古い写真を検証した結果、堀が先に埋められて土塁が残されていた時期があったようです。ではこの堀を埋めるための土はどこから持ってきたのか。おそらくさらに敷地を拡張する際に患者作業によってつくられた新しい堀の土ではないかと考えています。新しい堀の土の一部は『望郷の丘』(全生園内にある築山。入所者が故郷を偲んだ場所)に使われ、残った土をこのいらなくなった堀の埋め戻しに使ったのではないか。それらの作業も患者たちの手で行われていたようです。このあとさらに調査を進めて、そのあたりの経緯も明らかにしたいと考えています」(黒尾さんの談話)。

発掘作業は年内にはほぼ終えて、年明けからは入所者や関係者、さらに一般の人びとに向けて見学会を行うことなども検討しているとのことです。

【追記】

この発掘調査現場の「見学会」の実施が決定しました。

日時:2017年1月7日(土)11:00~15:00(小雨決行)
場所:多磨全生園内「全生学園跡地」

どなたでも参加することができます。
参加要領などは、国立ハンセン病資料館のホームページをご覧ください。

http://www.hansen-dis.jp/excavation