ハンセン病制圧活動サイト Global Campaign for Leprosy Elimination

Blogブログ

人権フォーラム2017 in 兵庫 ハンセン病に関するシンポジウムが開催されました。

Topics 2017.2.7

_S2A05102月4日(土)、神戸文化ホール・中ホールで「人権フォーラム2017 in 兵庫 ハンセン病に関するシンポジウム」が開催されました。

「ハンセン病に関するシンポジウム」は、ハンセン病回復者に対する偏見・差別の解消、ハンセン病に関する正しい知識の普及・啓発を目的として2005年からおこなわれているもので、兵庫県では今回が初の開催。シンポジウムは親和中学校・親和女子高等学校のコーラス部による合唱で開幕しました。

_54A3739パネルディスカッションでは、屋猛司(おく・たけし)邑久光明園入所者自治会 会長、宮吉正吉(みやら・せいきち)ハンセン病関西退所者原告団いちょうの会 会長、加藤めぐみさん(社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会 ハンセン病回復支援センターコーディネーター)、大槻倫子さん(弁護士)、長谷川亜衣加さん・三河みずきさん(大手前大学 総合文化学部2年)の6名が登壇。それぞれの立場からハンセン病回復者に対する偏見・差別をなくしていくためにはどのようなことが必要か、という議題について話し合いました。

パネルディスカッションの最後にメッセージを、とうながされた屋猛司さん、宮吉正吉さんは全国の療養所で進みつつある高齢化問題について触れ、「障がい者・難病患者にとってやさしい日本の国であってほしい」「病気を理由とした差別というあやまちをくり返してはならない。そのためには医療基本法の制定、正しい医学知識、啓発活動、人権教育などが必要」など、具体的な歩みに向けた意見を語りました。

_54A3773小休止のあとはNPO法人HIV人権ネットワーク沖縄による演劇「光りの扉を開けて」が上演されました。「光りの扉を開けて」は実話をもとに制作されたもので、初演は2004年。HIV(エイズウイルス)感染を知らされた女子高校生がハンセン病回復者である「八重子おばぁ」との出会いによって勇気と希望をつかむというストーリーで、演じるのは高校生を中心とした沖縄のこどもたち。今回の上演では広島学院中学・高校の演劇部12名も初めて共演しました。

シンポジウムの最後には、パネルディスカッションの登壇者、演劇「光りの扉を開けて」出演者のほか、兵庫県マスコット「はばタン」、邑久光明園イメージキャラクター「こみょたん」、人権イメージキャラクター「人KENまもる君・人KENあゆみちゃん」もステージに登場。

挨拶に立った藤崎陸安(ふじさき・みちやす)全国ハンセン病療養所入所者協議会・事務局長は「偏見・差別の解消は難しいが、一歩一歩前へ進んでいます。まだまだ時間はかかりますが、若い人たちが正しい知識を得て理解を深めていくことが、第一歩になるのではないかと思います」とコメント。続いておこなわれた「世界に一つだけの花」の合唱では観客もステージに上がり、にぎやかにフィナーレを迎えました。