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【連載】学生が見た「THINK NOWハンセン病」#5:瀬戸内海の離島「大島」を日本一輝く島に

Topics 2019.5.24

topics1topics2topics3thinknowlogo日本財団は、一人でも多くの人がハンセン病への理解を深め、偏見や差別について
考える機会をつくるための運動「THINK NOW ハンセン病」を行っています。
キャンペーンは、ハンセン病についての正しい理解を促進し、企画者・参加者が共に学びの機会を得られる活動であればロゴを使用するだけで、どなたでも参加できます。

今回は、前回投稿してくださった香川県の中学生津田さんの友人の平井さんの国立療養所大島青松園での活動をご紹介します。

香川大学附属高松中学校 3年 平井 愛美 

私は友人の誘いで、ハンセン病について興味を持つようになりました。初めはハンセン病とは何かはおろか、昔は日本でもハンセン病患者の隔離政策があったことさえ知りませんでした。その後、インターネットで調べたり、講演会に参加したり、実際に大島を訪問したことで興味が深まり、入所者の方の生の声を聞きたいという思いがだんだん強くなっていました。

そんな時、入所者の方の話を伺え、さらに大島の活性化に自ら協力できるイベントである「大島臨海学校」を見つけたので参加する以外に選択肢はありませんでした。植栽や海岸の清掃など、とても小さなことでしたが「大島をより活性化できたらいいな、そしてその願いが世界に伝わればいいな」という思いで一生懸命に取り組みました。

入所者の方の話は、文字で見る何倍もの苦労や辛さが身に染みて伝わってきました。そして、今まで知り得なかった数々の差別があったことを知りました。

その中でも、私が一番衝撃を受けたのは、療養所では処方箋やお金を一つ一つ消毒液につけピンセットでとり、それをガラスに張り付けて渡されたという話です。また、入所者の方は子どもを産むことが許されず、もし子どもができれば即座に堕胎してホルマリンの入った瓶につけ研究室に放置され、子どもの両親である入所者の方の目に入るところに置かれたそうです。

あまりにもひどい差別の数々に私はとても衝撃を受け、そういった当たり前の事さえ他の人と同じように扱ってもらえなかったことがよくわかりました。

そんな中、九州の療養所で同じような目に合った入所者の方が立ち上がり裁判所に訴えて、国から多くの反論や嘘の発言をされながらも戦い続けた結果、勝訴したそうです。しかし幼いころから数十年間も療養所で暮らしてきた入所者の方にとっては帰るところがなく、また元の生活に戻れるのかという不安もあり、人によっては納骨堂に大切な人が眠っているなどの理由で、療養所に残りたいと思う人が全体の75%もいたそうです。

今の大島には、私のように大島を活性化させたいと思っている若者がたくさんいます。実際、今回の臨海学校にも若者の参加者が多くいました。また今年は瀬戸内国際芸術祭2019が開催されます。今年で4回目ですが、大島は初回(2010年)から参加しています。入所者の方々からも「大島が少しずつ進んでいる」と、喜びの声を聞きました。

入所者の方々は臨海学校で、「港を整備して大きな船が着けるようにしたい、高松と小豆島を結ぶフェリーが大島にも寄って欲しい」と、実現できそうな願いを私たちに伝えてくれました。私たち若者もこうした願いをかなえられるよう、さらに協力して、大島が日本一輝く島になることを願っています。

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日本財団「THINK NOW ハンセン病」 キャンペーン
監修:日本財団 特別事業運営チーム 日高将博
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