Leprosy in the world
Leprosy in the world
The Documentary
国によって、地域によって、事情も状況も異なるハンセン病の「現場」。けれどもどの現場でも、ハンセン病にかかった人びとは自分たちの抱える問題について声をあげることができないという共通点があります。ハンセン病患者に対する途方もなく長い差別の歴史が、彼らから声を奪ったのです。これらの映像は、差別を恐れてひっそりと暮らす彼らの人生と、これまで一度も口にされることのなかった、彼らの“声なき声”をとらえています。世界中のだれも見たことのなかった貴重な記録です。
Leprosy Sanatoriums in the World
ハンセン病はかつて不治の病とされ、隔離以外に有効な感染防止策はないと考えられていました。患者たちの重い後遺障がいに対する偏見や差別心も伴って、世界中の国々や地域に患者を収容し隔離する療養所がつくられてきました。世界のハンセン病療養所の成り立ちと現在を知ることで、人類が長らく抱えてきた病気と差別との闘いの足跡を辿るとともに、それらを乗り越えていった当事者や関係者の知恵や勇気に触れることができるのです。
Leprosy and the Islands
ハンセン病の患者を隔離するために格好の場所として、世界中で選ばれてきたのが人里から遠く離れた離島です。島に隔離された者たちにとって、島は断絶の象徴。人々は周りを囲む海を眺め、故郷を想い、家族を想いました。またその中で新たな人生をつかもうと生き抜いたのです。それぞれの島が語る言葉に耳を澄ませ、隔離の時代の歴史をどのように伝え残しうるのかを考えてみましょう。
Turning a Lens on Leprosy
日本財団の専属フォトグラファーである富永夏子が、世界のハンセン病の現場を撮影した写真を国や地域ごとに掲載しています。まだ世界のどんなメディアも取材したことのない貴重な写真の数々を通して、皮膚の色は違っても、話す言葉は違っていても、差別によって虐げられた人びとの哀しみや苦しみは同じであること、理解され受け入れられることによってこそ命が輝くものであることが伝わってくることでしょう。