WHO Ambassador's Column
コラム
WHOハンセン病制圧大使:笹川陽平活動記
WHO Ambassador's Column
WHOハンセン病制圧大使:笹川陽平活動記
40年以上にわたる、ハンセン病との闘い。
現場に行き、実際に見た者にしかわからない、数々の問題。
そして、世界中に足を運ぶなかで出会った、忘れがたき人びと。
こうした日々のできことを、WHOハンセン病制圧大使の視点から、皆さんにお伝えします。
WHOハンセン病制圧大使
笹川陽平
Vol.13 2016.4.4
インドのハンセン病患者、回復者、その家族の生活環境の向上と、社会的権利の獲得のために活動するAPALの会長を2012年からつとめる、ヴァガヴァタリ・ナルサッパさんと対談を行いました。 9歳の時に発病して以来、激しい貧しさと差別の中を生き抜いたナルサッパさんは、現在では約850のコロニー(ハンセン病回復者村)の人たちが加盟する団体の代表として、インドの政治経済界のリーダーたちの前...
Vol.12 2016.4.4
ハンセン病専門誌「ザ・スター」編集長ホセ・ラミレス・ジュニアさんと対談を行いました。 1968年から7年間カーヴィル療養所に入所していたホセ・ラミレス・ジュニアさんは、療養所が閉鎖され、入所していた方々が高齢になっていく現在、最後の語り部として活動しています。また、1995年から現在に至るまで、ハンセン病専門誌「ザ・スター」の編集長として、ハンセン病問題の提起や正しい知識の啓発...
Vol.11 2016.4.4
ナショナル・フォーラム初代会長P・K・ゴパールさんと対談を行いました。 12歳で発病し、家族に支えられながら治療を行ったゴパールさんは、完治後にハンセン病患者・回復者たちへの差別と闘うための活動を始め、リーダーとしてナショナル・フォーラムの初代会長を務めました。2012年には、長年にわたる活動が評価され、国民栄誉賞(パドマシュリ賞)を授与されています。 「山あり谷あり」の人生を...
Vol.10 2016.4.3
1995年にハンセン病の特効薬が全世界で無償配布されるようになって、早20年が過ぎました。この薬を飲んで完治した患者さんの数は、日本財団が費用を負担していた当初5年間だけでも、推定500万人程度に上ると考えられています。何度も書いているように、ハンセン病は薬をきちんと飲みさえすれば治る病気です。とはいえ、いくら薬が無償でも、地理的な条件が原因で、それを受け取ることのできない人た...
Vol.09 2016.1.12
ハンセン病の標準治療法MDT(多剤併用療法)の薬は、全世界で無償配布されています。けれども、薬を受け取ることで、周囲の人たちにハンセン病であることがわかってしまうのではないかと恐れ、あえて名乗り出ない人たちもいます。社会の差別が、患者さんを自ら隠してしまうのです。私が以前、ブラジルのアマゾン奥地に訪ねた家庭でも、そんな理不尽な事実を目の当たりにしました。 その家族は、ブラジル北...
Vol.08 2016.1.12
日本財団やノバルティス社の努力によって、現在のハンセン病の標準治療法であるMDT(多剤併用療法)の薬を全世界へ無償で配布する活動が続いています。すべての患者さんがこの薬を飲むことができれば、ハンセン病に悩む人はいなくなるはずです。しかし、さまざまな原因によって、必要な人に薬が届かない、という残念な実態もあります。私が2007年に訪れたアフリカのコンゴ民主共和国に暮らすピグミー族...
Vol.07 2015.12.21
古くから「不治の病」として恐れられたハンセン病が、「確実に治る病気」になったのは、1980年代のことでした。3種類の薬を組み合わせて服用するMDT(多剤併用療法)が確立したのです。まさに、エポックメイキングな出来事でした。さらに、治療効果の研究が進んだ1990年代後半以降は、服用後、半年から1年で完治するようになりました。 もちろんそれ以前にも、さまざまな治療法が試されてきまし...
Vol.06 2015.3.25
日本のハンセン病療養所は、国立13ヵ所と私立1ヵ所、合計14ヵ所です。2015年1月末現在の入所者数は1744名(国立のみ)で、平均年齢は83.6歳(2014年5月)となっています。 かつて、ハンセン病にかかった人びとは「法律」によって強制隔離され、いったん療養所に入所すると病気が回復しても社会復帰が許されませんでした。大多数の入所者は一生涯を療養所で過ごすことになってしまった...
Vol.05 2015.3.24
ハンセン病患者と回復者に対する社会的差別の撤廃を世界中に訴えていく「グローバル・アピール」10年目にして、初の日本開催となった1月27日の式典とシンポジウムは、おかげさまで大盛況となりました。本サイト「Leprosy.jp」で配信されたライブ映像をご覧になった方は2000人以上にのぼり、この1月27日前後は、テレビや新聞のニュースで、ハンセン病のことが多く取り上げられました。 ...
Vol.04 2015.1.23
2015年1月27日、第10回「グローバル・アピール」が、東京で開催されます。グローバル・アピールとは、ハンセン病の差別に関するさまざまな問題を世界に訴え、人々に理解を深めてもらおうというキャンペーンの名称です。このキャンペーンは、私が呼びかけ人となり、2006年に始まりました。今までニューデリー(インド)、マニラ(フィリピン)、ロンドン(イギリス)、北京(中国)、サンパウロ(...