ハンセン病制圧活動サイト Global Campaign for Leprosy Elimination

THINK NOW ハンセン病 / グローバル・アピール 2015 TOKYO イベントレポート

文芸でみるハンセン病
川端康成に支えられた作家 北條民雄について語る

ハンセン病療養所への入所体験をもとに書いた小説『いのちの初夜』と、その作者・北條民雄を語る講演会が1月30日、東京・赤坂の日本財団ビル1階で開催されました。講演には約200名が参加、さまざまな角度から作家・北條民雄を語る会となりました。

日時
1月30日(金) 18:00〜
場所
日本財団ビル1階
登壇者
髙山文彦(作家) / 原田大二郎(俳優) / 岩浅嘉仁(徳島県阿南市市長) / 浅川雄康(徳島県阿南市光明寺住職) / 笹川陽平(日本財団会長・ハンセン病制圧大使)
主催
日本財団
徳島県阿南市

講演会は俳優・原田大二郎氏による『いのちの初夜』朗読を皮切りにスタート。ノンフィクション『火花 --北條民雄の生涯--』で北條の生涯を描いた作家・髙山文彦氏は、みずからの『いのちの初夜』との出会い、北條を支えた作家・川端康成との関係などについて触れ、「川端の北條に対するなみなみならぬ尽力は、幼くして両親と死別した川端自身の孤児体験も大きく影響していたのではないか」「昔のハンセン病療養所内部の様子が、これだけ詳細にわかっているのは日本のみと言っていい。それは療養所内で生まれた文芸、小説、詩、短歌、俳句などの存在によるところが大きいと思う」と語りました。

阿南市市長・岩浅氏は「北條民雄の出生地と本名を公表したのは、生誕100周年にあたる昨年2014年のこと。作家・北條民雄の業績を後世に伝えるため、阿南市が関係者の了承を取り、本名“七條晃司”の公表にも踏み切りました。そのことが直接のきっかけとなり、今日の講演会共催となった」とスピーチ。また、阿南市光明寺住職の浅川住職も、四国の遍路文化とハンセン病との関係、その歴史のなかで育まれてきた四国特有の人権意識などのエピソードについて紹介しました。講演会の終わりには、登壇者全員が参加してのパネルディスカッションも行われました。