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京都で「いのちのあかし絵画展」開催中

Topics 2016.12.8

dsc09816京都の東本願寺に隣接する「しんらん交流館」で、国立ハンセン病療養所菊池恵楓園の絵画クラブ「金陽会」の皆さんの作品を展示する催しが、12月7日(水)から開催されています。

dsc09825菊池恵楓園絵画クラブ「金陽会」は、1953(昭和28)年に発足。特別な指導者もおらず、また「金陽会」との出会いで初めて絵筆を持った方も多かったそうですが、メンバー同士が作品を鑑賞し批評しあい、家族や故郷から切り離され療養所に隔離されているという境遇を分かちあいながら、それぞれの想像力と創造力をはばたかせて、数多くの作品を生み出してきました。

dsc09716本展覧会の監修者であり、一般社団法人ヒューマンライツふくおか理事である藏座江美さんは、「金陽会」の皆さんの作品を2010年から調査し写真に収めて来られました。当初は500点ほどと思われていた作品数は、亡くなられた方々の住まいの押し入れから新たに発見された作品なども含めて、現在は850点にも及ぶそうです。今回の展覧会はそのなかから約40点を紹介するものです。

藏座さんは初めて「金陽会」の皆さんの作品群を目にしたとき、その輝くほどの色彩の明るさ、イマジネーションの豊かさに衝撃を受けたそうです。今回の展覧会については「これまでの調査を通して恵楓園の皆さんの作品に触れるなかで、いつも見る側が試されているということを感じてきました。ひとつの作品から、見るたびに違ったメッセージが聞こえてくることもあります。これらの作品がどういう思いで描かれていたんだろうなということを、ぜひ皆さんも自由に、思い思いに想像してみていただければ」とのこと。

展覧会の主催は真宗大谷派(東本願寺)解放運動推進本部。真宗大谷派では、国のハンセン病隔離政策を支持することによって多くの苦しみを患者や家族に与えてきてしまったという反省にたって、同じ真宗大谷派出身で終生ハンセン病者のために尽力した小笠原登医師の取り組みを伝えるとともに、さまざまなハンセン病の啓発活動に取り組んでいます。今回の展覧会は、真宗大谷派から藏座さんへの働きかけによって実現したものとのことです。12月22日には、シンポジウムとギャラリートークも開催予定。

◆人権週間ギャラリー展「いのちのあかし」絵画展
開催期間:2016年12月7日(水)~2017年1月29日(日)
休館日:2016年12月29日~2017年1月5日
会場:しんらん交流館 1F交流ギャラリー
   〒600-8164 京都市下京区上柳町199
展示概要:1)菊池恵楓園絵画クラブ「金陽会」の作品
     2)小笠原登師パネル
     3)ハンセン病についての解説パネル

◆公開シンポジウム
テーマ:「いのちのあかし―ふるさと・家族をつなぐ―」
日時:2016年12月22日(木)
   午後1時30分~午後4時(午後1時開場)
会場:しんらん交流館 2階大谷ホール
パネリスト
   藏座江美さん(一般社団法人ヒューマンライツふくおか理事)
   黄光男さん(ハンセン病家族訴訟原告団副団長)
   小笠原英司さん(名古屋教区圓周寺住職)
   コーディネーター:大屋徳夫(解放運動推進本部)

◆ギャラリートーク
日時:2016年12月22日(木) 午後4時30分~
会場:しんらん交流館 1F 交流ギャラリー
出演:古長美知子さん(一般社団法人ヒューマンライツふくおか代表理事)
   藏座江美さん(一般社団法人ヒューマンライツふくおか理事)