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Topics 2017.8.8
8月3日、御殿場市の国立ハンセン病療養所「駿河療養所」で恒例の納涼盆踊り大会および花火の打ち上げが開催されました。納涼祭のはじめに、療養所所長の福島一雄さんの開会挨拶、つづいて駿河会(自治会)会長の小鹿美佐雄さんから納涼祭の歴史紹介を含めた挨拶がありました。盆踊り大会は1945(昭和20)年の療養所開設後まもなくスタート、入所者が400人ほど夜通し踊る大掛かりなものになりましたが、1966年に入所者の減少のため中断。その後1985年から地元の皆さんも参加するイベントとして再開され、2001(平成13)年からは3000発の花火の打ち上げも行われるようになりました。2001年はらい予防法国賠訴訟勝訴の年、花火は療養所で亡くなった方々の慰霊の意味を込めて始められたものとのことです。
この日の呼び物は、53年ぶりに復活する「駿河音頭」の披露でした。「駿河音頭」は療養所内の公募によって作詞・作曲されたもので、入所者のあいだで親しまれていましたが、残念ながら盆踊り大会そのものが中断。その後長らく忘れられていたそうですが、地元の市民団体の協力によって復活のめどがたち、作曲者である小田猛さんが自ら歌って披露することになりました。一般の来場者が「駿河音頭」を聴くのも今回が初めてとのことです。小田さんは、85歳という高齢にもかかわらず、朗々とした声で「駿河音頭」を歌い上げ、さらに撥を握って太鼓を打ちながら療養所の盆踊り大会の定番であるという「江州音頭」も名調子で歌いました。
その後は、来場者や子どもたちも参加しながらの盆踊りや、地元の踊り連や太鼓連によるパフォーマンスが繰り広げられ、いよいよ花火の打ち上げへ。介護士に付き添われた車椅子の入所者の方々も、納涼祭のにぎわいとともに、至近距離で楽しめる花火の迫力を楽しんでいました。