Saaremaa Island
サーレマー島
エストニア共和国
Leprosy and the Islands / 世界の島は語る
Saaremaa Island
エストニア共和国
バルト海に浮かぶ、
かつてのハンセン病スポット
サーレマー島はバルト海に面する島。
エストニアでは19世紀後半よりハンセン病患者の増加が見られた。特にサーレマー島では30歳以下の患者が多数確認されたため、国内を対象に隔離法を制定し、患者の隔離を行った。1901年、ノルウェーに習いハンセン病検査官を任命して調査を開始、1902年の調査結果ではエストニア全土で558人の患者が確認されている。国内に隔離施設は4箇所設けられ、そのうちの1つが1904年、サーレマー島に設けられたアウダク収容施設である。
隔離自体は政策として行われたが、感染性が低いとされた患者の外出は比較的自由であった。また、治療により症状が軽快した患者は、経過観察を条件に、社会復帰も認められていた(統計では約20%は治癒とされ社会復帰したが、その内11%は再発した)。 治療は大風子油が中心で、軟膏、皮下注射、筋肉内注射、エステルの静脈内注射などが行われていた。この施設では男性1人に対し、女性1.92人と女性の方が多いのが特徴的である。
1924年、隔離を目的とした施設は病院付属の療養施設に改善され、1946年に施設は閉鎖、現在は自然保護区となり、市民の憩いの場となっている。
2006年、サーレマー島で生まれたユーロ・キルス(1926年生まれ、回復者)を題材としたドキュメンタリー映画「On the Other Side of Leprosy」が作られた。
サーレマー島
国:エストニア共和国
人口:40,000人(2006年)
面積:2,673㎢
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