D’arcy Island
ダーシー島
カナダ
Leprosy and the Islands / 世界の島は語る
D’arcy Island
カナダ
中国人移民の患者が強制収容された、
バンクーバー沖の絶海の無人島
ダーシー島はバンクーバーから、30キロ海上にある、幅約一キロメートルの無人の島。
1891年、5人の中国人移民労働者が、ハンセン病を発病し、ヴィクトリア市内の小屋に隠れ住んでいるのが発見された。驚いた市当局は対応にせまられ、無人島であったダーシー島への隔離を決めて強制的に移住させた。
外部との接触は、3カ月に一度の補給船で、食糧、衣類、アヘン(麻薬)、棺桶などを補給し、患者たちは畑や建物、中国文化の組織などを作り、互いに協力しながら生活したが、治療や介護は行われなかった。
1924年、ダーシー島への隔離はあまりにも残酷であるとのことから別施設へ移転するまで、全部で49人の中国人患者がこの島に送られたとされる(中国人と白人系カナダ人の収容は別にされ後者の患者はカナダ東部の施設へ収容、修道女のケアや医師の診察を受けながら生活した)。
1960年、政府はダーシー島の患者住居などを焼却し、翌年この島を国立海洋公園とした。
2000年、ヴィクトリア市長(中国系移民の子孫から選出された初の市長)はダーシー島を訪れ、元の患者の住居近くに建てられた記念碑を除幕。その碑には、隔離の島で命を落とした13人の中国人患者の名前と、無名の4名の患者が刻まれている。
ダーシー島の記録は、2000年に「Island of Shadows」として映画化され、同年、「A measure of value: the story of the D’Arcy Island Leper Colony」と題して出版されている。
ダーシー島
国:カナダ
面積:0.83㎢
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A Measure of Value
– the Story of the D'arcy Island Leper
Colony
Chris Yorath(著)
Touch Wood Editions
2000年発行