Hei Ling Chau Island
ヘイリンチャウ島
中華人民共和国 香港特別行政区
Leprosy and the Islands / 世界の島は語る
Hei Ling Chau Island
中華人民共和国 香港特別行政区
無人の島を開拓し、
英領時代の香港から患者を収容
ヘイリンチャウはランタウ島と香港島の間にある1.93平方キロの島。
1940年代後半の香港では中国本土からの多くの移民が流入し、ハンセン病の患者数も大幅に増加した。
1950年、香港政庁(英領)は英国救らいミッションを中心とするキリスト教団体と協力して、患者の救済と治療、隔離のために療養施設を開設することを決定した。当時無人であった尼姑(ニク)島をその対象として選び、中国本土で働いていたハンセン病の専門医らが、1951年から建設に着手した。交通や通信手段も限られ、電気も水もない島での作業は困難を極めたが、1954年に施設は開設され、島は新しく「ヘイリンチャウ」と名付けられた。
開設当初は、すべてのハンセン病患者がこの島に隔離され、1960年代初期、入所者は最高540人に達した。療養所は香港島の特別皮膚科診療所と連携して患者の診断治療を行っていた。1960年代から化学治療が普及するにつれ、強制隔離は次第に影を薄め、少菌型の患者は、在宅治療が認められるようになった。1970年代には新患が減り、入所者数も減少。障がい度の高い約50名の患者を香港島の荔枝角(ライチコク)病院に転院させて、療養所は1974年に閉鎖された。
現在は麻薬中毒者の更生施設や刑務所などが開設されている。
ヘイリンチャウ島(喜靈州)
国:中華人民共和国 香港特別行政区
面積:1.93㎢
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