McKean Rehabilitation Center
マッケーン・ハンセン病センター
タイ王国
Leprosy and the Islands / 世界の島は語る
McKean Rehabilitation Center
タイ王国
ハンセン病ケアの拠点から、
すべての障がい者ケアをめざす
リハビリセンターへ
マッケーン・ハンセン病センターの歴史は、チェンマイの市内を流れるピン川の「中之島」(コン・クラーン)から始まった。
北部タイはハンセン病に対する偏見は強いところとされている。患者は恐れられ、居場所を失い、放浪の末、橋の下、川の中州などに身を寄せ合って生活していた。1890年、宣教医師としてこの地に赴任したジェームス・マッケーンはこの状況に心を痛め、当時のチェンマイ王室に願い出て、「中之島」の使用許可を得て、1908年、治療と生活の場をもつ施設を開設した。最初の入所者は大人7名と子ども2名であった。
マッケーンは米英のクリスチャンの熱心な支援を受け、施設を拡張し、1923年には敷地内に大風子の樹を植え治療に備えた。また、農地を開き、学校を建て、入所者の収入創出のための手工芸作業場、補装具製作部門などの環境を整えたばかりでなく、化学療法で患者の病状が改善すると、外部に定着村を作って移住、独立させた。
政府保健省がハンセン病対策の中心的担い手となると、マッケーン・センターはリハビリテーション活動に移行し、さらにハンセン病の新患が減少すると、従来のハンセン病専門のリハビリテーション施設から一般障がい者も含むすべての障がい者のための総合施設に発展した。
2009年、創立100年を記念して、さらに新しく高齢者ケア、認知症ケアの施設も開設し、新しい歩みを始めている。
マッケーン・ハンセン病センター
国:タイ王国
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アメリカ人宣教師で医師。1890年からチェンマイのハンセン病患者のために生涯を尽くした。
彼の指導のもとマッケーン・センターは療養所の在り方をその時代に適した内容に変更させ、現在に至っている。同センターのたどった道はハンセン病療養所の成功モデルの一つであると言える。