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Topics 2014.10.31
2014年10月23日、東京都内で開催中のIBA(国際法曹協会)年次総会で、WHOハンセン病制圧大使・笹川陽平氏が、40年以上にわたるハンセン病制圧活動の成果と、ハンセン病患者・回復者とその家族に対する差別撤廃のための活動への貢献により、「法の支配賞」を受賞しました。「法の支配賞」は、国際司法や人権、法の支配に関して、大きな貢献をした個人、団体に贈られるもので、通算11人目の受賞者、日本人では初の受賞となります。
笹川氏は、1995年から5年間、日本財団会長としてハンセン病治療薬の無料配布を決断し、ハンセン病患者数の激減に大きく寄与しました。また、日本国政府ハンセン病啓発大使として国連に働きかけ、2008年に国連人権理事会において「ハンセン病患者・回復者及びその家族に対する差別撤廃決議」案を全会一致による採択に導きました(日本政府と59カ国の共同提案国が提出)。2010年には、国連総会で「ハンセン病患者・回復者及びその家族に対する差別撤廃決議」が192カ国の賛同を得て採択されるに至りました。それとともに、決議に付随した「ハンセン病差別撤廃のための原則及びガイドライン」に十分な考慮をすることが、各国政府に求められることになりました。
世界各国から法律家が集まった会場でのスピーチでは、“業病”、“神の罰”などとして誤解され、差別を受けてきたハンセン病の歴史、現在も続く深刻な差別の実態などについてあらためて触れ、「差別やスティグマ(社会的烙印)と闘い、社会における自分たちの権利について声を挙げてきた、勇気あるハンセン病患者・回復者の方々と喜びを分かち合いたい」と語りました。