ハンセン病制圧活動サイト Global Campaign for Leprosy Eliimination

Leprosy Sanatoriums & Resource center in Japan / 日本のハンセン病療養所・資料館

Touhoku Shinseien

東北新生園

宮城県

千本桜からパークゴルフ場まで
将来構想をひたむきに実現しつづける

東北新生園は宮城県の北部の築館大地の丘陵地帯に位置し、約35万平方メートルという敷地を有する。現在は、睦ヶ池を囲んで豊かな自然が広がる景観のなかに、近代的な建物が整然と立ち並ぶ風光明媚な療養の地であるが、1939(昭和14)年10月の開設当初は戦時中とあって、入園者は深刻な施設不足や物資不足を抱えながらさまざまな労務に当たるなど、多大な苦難を強いられたという歴史を持つ。

1996(平成8)年のらい予防法廃止後、居住スペースや介護施設、医療施設を一カ所に集めるとともに地域との交流スペースを整備するという「東北新生園将来構想」をいちはやく2004(平成16)年に策定。この計画にもとづいて、入園者のための「第1メープルケアセンター」「第2メープルケアセンター」、さらに多目的会館として「さくらホール」、外来患者のためのサービスも視野に入れた「リハビリテーションセンター」などを次々と整備してきた。なお「メープルセンター」の名称は、「不自由者」という言葉を用いずに、新生園の敷地や周辺に多くみられる楓をシンボルとして名づけたものである。2006年には、かつて園内の子どもたちが学んだ新田小中学校葉の木澤分校の校舎を保存修繕した「しんせい資料館」が開館。

また地元の子どもたちから高齢者までが利用できる多目的グラウンドやゲートボール場、パークゴルフ場もつくられ、年間を通してさまざまなスポーツ大会が開催されている。敷地内の各所に「千本桜」をめざして桜の植樹も進められており、夏の花火大会とあわせて、春の桜の景観が地元住民の風物詩ともなっている。

国立療養所 東北新生園のあゆみ

  • 1939(昭和14)年

    国立療養所東北新生園開設(病床数400床)

  • 1954(昭和29)年

    病床数700床となる

  • 2004(平成16)年

    「東北新生園将来構想」を策定

  • 2006(平成18)年

    しんせい資料館開館(新田小中学校葉の木澤分校の校舎を修繕)

  • 2007(平成19)年

    第1メープルケアセンター整備

国立療養所 東北新生園

〒989-4692
宮城県登米市迫町新田字上葉ノ木沢1番地
Tel. 0228-38-2121 / Fax. 0228-38-3765

アクセス:

  • ・東北新幹線くりこま高原駅から車で12分
  • ・東北本線瀬峰駅から車で7分
  • ・東北自動車道築館インターから車で11分
しんせい資料館
開館時間  9:30~16:00
入 館 料  無料
休 館 日  土曜、日曜、祝日、年末年始(12/28~1/5)
※見学希望者は、事前に希望日を新生園福祉室まで連絡願います。
(予約受付は土・日・祝・年末年始を除く平日9:30~16:00)
園の都合により、見学日の変更をお願いする場合がございます。

View Points

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  • しんせい資料館

    1951(昭和26)年、園で暮らす子どもたちのための義務教育の場として、「新田村立新田小中学校葉の木澤分校」が開校。当初は四坪の小さな仮校舎でしたが、2年後に父兄の協力によって約43坪の念願の新校舎が完成しました。新規に入園する子どもがいなくなった1965(昭和40)年にその役目を終えて閉校しましたが、校舎はそのまま保存され、2006(平成18年)に新生園の歴史資料を展示する「しんせい資料館」として生まれ変わりました。館内では実際に使われていた机やオルガンなどによって分校の教室のようすが再現され、往時の入園者の暮らしとともに子どもたちの学びの場の雰囲気を知ることができます。

  • 霊安堂

    ハンセン病療養所において納骨堂や霊安堂は、隔離政策によって“お骨になっても故郷に帰ることができない”という入園者の境遇を象徴するものであり、また入園者にとっては長いあいだともに暮らした療友との絆を象徴する大切な場所でもあります。現在の新生園の霊安堂は1986(昭和61)年に竣工、屋根の形は中尊寺に着想を得て設計されたもの。園を一望できる見晴台へと続く丘の中腹にあり、入園者の居住区に寄り添いながら見守っているかのようです。

  • 第1・第2メープルセンター

    2004(平成16)年に策定された「東北新生園将来構想」にもとづき、入園者の居住スペースや介護施設、医療施設を集中させるセンターとして2007年に第1メープルセンター(3階建て・60床)、2009年に第2メープルセンター(2階建て・20床)が完成。「メープル」の名前は付近に多い楓の木にちなんだもので、「不自由者棟」という言葉を使わないという配慮がこめられています。住み慣れた住宅を離れてセンターに移ることに抵抗感をもつ入園者もいたそうですが、東日本大震災の際にセンター化されていたことによって被害が最低限に抑えられ、改めて「将来構想」の先見性が評価されることになりました。

  • さくらホールとさくら公園

    「さくらホール」は、園内で亡くなった方の斎場として、また職員の離任式や慰問会場としても利用できる多目的ホールを有する総合会館です(2010年完成)。2013年に整備された「さくら公園」は、太陽光・風力発電や非常食炊き出しができる施設を備えた災害避難公園でありながら、遊具やゲートボール、パークゴルフのショートコースも用意され、子どもから大人まで誰もが寛げる遊びの場にもなっています。

  • パークゴルフ場

    「東北新生園将来構想」では、地域交流のための場づくりも重要な柱となっています。これにもとづき、少年少女野球大会の試合場ともなるグラウンドや、東北各地からチームが集って大会が開催されるゲートボール場、さらにはパークゴルフ場も整備されています。パークゴルフ場は入所者自治会の企画によりすべて職員が手作りしたものです。全国のハンセン病療養所のなかで、園内にパークゴルフ場があるのは新生園だけです。

  • 睦ヶ池

    新生園の敷地には大小二つの池があります。ともに用水池としてつくられたものですが、自然豊かな新生園の景観シンボルとして入園者に親しまれてきました。とりわけ大きいほうの睦ヶ池は、夏には水遊びの場として、また秋から冬にかけては白鳥が飛来し、入園者の憩いの場となってきました。毎年7月末に睦ヶ池のほとりで開催される花火大会は、至近距離で大輪の花火の迫力が満喫できるとあって、多くの地域住民でにぎわいます。

写真で見る「国立療養所 東北新生園」