ハンセン病制圧活動サイト Global Campaign for Leprosy Elimination

Books on Leprosy / ハンセン病図書室

小島の春

小島の春

小川正子 
長崎出版 2009年発行

解説

かつては、らい菌に侵された多くの人々が、治療を受けることなく放置されていた。遺伝病と信じられていたゆえ、患者たちは家族によって隠され、あるいは追放されて浮浪を強いられた。そんな中、長島愛生園の女医であった著者はみずからの足で各地を回り、ハンセン病は伝染病であり感染のおそれがあると説いては収容を推進した。本書はそんな隔離政策黎明期の貴重な記録であり、後に映画化されて評判を呼んだ。療養所の関係者がいかにひたむきな「善意」をもって事に当たったかを知るには貴重な一冊だ。