Books on Leprosy / ハンセン病図書室
輪倉一広
吉田書店 2015年発行
解説
カトリックの霊的指導者にしてキリスト教思想史家である岩下壮一氏の生涯を伝記形式でまとめた研究書。東京大司教区の司祭としてカトリック書の著述、出版で活躍したのち、全国でも数少ない私立ハンセン病療養所「神山復生病院」の院長に赴任。ハンセン病患者のための救療事業に後半生を捧げ、実践のなかで信仰の普遍哲学を探求しつづけようとした。岩下氏の業績とともに、その「救癩思想」の形成を丹念に追った本書の意義は大きい。