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イベントレポート/THINK NOW ハンセン病 キャンペーン 2017 INDIA

新宿紀伊国屋で
「ハンセン病文学ビブリオバトル」が開催

2017年2月26日(日)、紀伊國屋書店新宿本店8階イベントスペースで「ハンセン病文学ビブリオバトル」が開催されました。
本イベントは「世界ハンセン病の日」(1月29日)にあわせ、日本財団が主催するキャンペーン「THINK NOW ハンセン病」の一環として行われたもの。参加者がハンセン病をテーマにした本を持ちより、その魅力をあますところなく紹介しました。

日時
2017年2月26日(日)
場所
紀伊國屋書店新宿本店8階イベントスペース
参加者とエントリー作品
1)島田和子『カミングアウト』(新日本出版社)
〈バトラー〉秋田悠太さん
2)木村元彦『争うは本意ならねど』(集英社インターナショナル)
〈バトラー〉久保聖子さん
3)北条民雄『定本北条民雄全集〈下巻〉』(東京創元社)
〈バトラー〉亀山綾乃さん
4)宮崎かづゑ『長い道』(みすず書房)
〈バトラー〉柏谷亮美さん

「ビブリオバトル」とは、「バトラー(発表参加者)」が、持ち寄った本を5分間でプレゼンテーションし、会場の観戦者全員による投票で、最も読みたくなった「チャンプ本」を決定する書評合戦。今回のエントリー作品は「ハンセン病文学」(ハンセン病患者・回復者が書いた本や、ハンセン病についての記述のある本)であることが条件です。

トップバッターのは秋田悠太さんは、去年の「ハンセン病文学ビブリオバトル」にも出場したことのある経験者。ハンセン病回復者の体験をもとに書かれた子ども向けの本を紹介しました。実名を発表した回復者が、血の繋がった家族にまで差別されたことに衝撃をうけたといいます。

2番手の久保聖子さんは、ドーピング疑惑の冤罪をかけられたJリーガー我那覇和樹の実体験とハンセン病の問題をつなげて、簡単に誤解が広がっていってしまう社会に言及。他の発表者とはちがった角度で差別問題にスポットを当てました。

宮崎かづゑさんの『長い道』を紹介した粕谷亮美さんは、ライターとして宮崎さんの肉声を文字起こしをしたことがあるとのこと。「宮崎さんはそのまま文章にできるほどのストーリーテラーだ」と作者の人となりについても紹介してくださいました。

投票の結果、最も票を集めた「チャンプ本」には亀山綾乃さんが取り上げた『定本北条民雄全集〈下巻〉』が選ばれました。
本書はハンセン病をわずらいながらも名作『いのちの初夜』によって、一躍文壇の寵児となった小説家・北条民雄の日記や書簡を集めたもの。

亀山さんは、同じ患者であり親友だった東條耿一が清書したとされる北条の日記が、実は大幅に書き換えられていたという驚きのエピソードを紹介しました。
国立ハンセン病資料館で実際に元の日記と読み比べてみたところ、東條は、自分が北条にとって「唯一の友」であることを強調するような記述にしていたといいます。
「社会と断絶された状況下で、社会的な地位を得ていた北条との関係を強調したかったのかもしれない。20代前半という多感な時期にどのような心持ちであったかは簡単に理解できるものではない。だからこそ、悲痛な思いになる」と、複雑な心境を切実に語り、観覧者の多くの共感を呼びました。

なお、新宿紀伊国屋本店の3F催事コーナーでは、2015年〜2016年に出版されたハンセン病関連の書籍を集めたフェア(3/1から3/31まで)も行われています。