ハンセン病制圧活動サイト Global Campaign for Leprosy Eliimination

ハンセン病の現場にレンズを向けて vol.2 ネパールの国境地帯を往く!

ヒマラヤ山脈をはじめとする山岳地帯が国土の80%を占めるネパール。交通アクセスが悪く、医療サービスの普及が遅れている地方では、今もハンセン病が蔓延しています。特に患者が集中しているのがインドとの国境地帯。砂塵舞う僻地に生きる患者や回復者の窮状にレンズを向けました。

本編 28分05秒

ハンセン病患者の80%が集中する国境地帯

ネパールが制圧を達成したのは2009年。しかし制圧後も、インドとの国境地帯では多くの人々がハンセン病に苦しんでいます。ここに暮らす人々はネパールの中でも特に貧しく、平均年収は約16,000円。彼らの多くは教育を受けることができず、未だに医療よりもお祓いを信じています。そのため病院で治療をせず、症状を悪化させるケースが後を絶ちません。この深刻な事態を打開するために立ち上がったのが、ハンセン病の回復者“自身”です。彼らを取り巻く差別や偏見。カースト制度がもたらした貧しい生活。国境を越えて流入するインドの患者たち・・・。様々な問題を抱えながらも逞しく生きる回復者たちの声に耳を傾けるため、WHOハンセン病制圧大使の笹川さんが国境地帯に向かいました。

keypersons

  • 「他の村人には、自分のような辛い思いをさせたくない」ビシュラム・カンデル(回復者)

    国境地帯の中で最も貧しい村の一つ、サイガン村で暮らすビシュラムさんは、回復者の生活向上を目指して活動する「セルフヘルプグループ」の若きリーダーです。ハンセン病により両足首から下の神経が侵されたため、気づかぬうちにできた足の傷が悪化。とりわけ症状が重かった左足の親指は切断を余儀なくされました。そのため、裁縫工場での仕事を続けることを断念。障害を抱えた足は、長時間の立ち仕事に耐えられなかったのです。周囲からの差別に悩み、自殺を考えたことさえあると言います。
    「他の村人には、自分のような辛い思いをさせたくない」
    ビシュラムさんの切なる願いです。現在は農業に汗を流すかたわら、不自由な足で村を歩き回り、患者の早期発見活動を行う毎日。その献身的かつ情熱溢れる行動が、国境地帯におけるハンセン病制圧へ向けての大きな力となっています。

  • 「回復者でもできることはある」プレム・カラ・ダンギ(回復者)

    1987年、故郷を追われて生活していた洞窟から、夫とタラタル村へ移住。38組のハンセン病患者夫婦とともにジャングルだった地を切り拓き、道を敷き、家を建てて、村を作り上げました。今もある立派な井戸は、その時に水路を引いて作りました。移住した頃、近隣の村から「同じ水を使いたくない」と言われたからです。
    現在は両手に後遺症を抱えながら、助産師として活動。「回復者でもできることはある」と力強く言います。今では周囲の偏見をはねのけ、ハンセン病の患者・回復者以外のお産にも立ち会うようになりました。逞しく社会と向き合い続けるプレム・カラさんは、村全体のお母さん的な存在。タラタル村のリーダーとして、村人の社会進出を目指し声をあげています。

Staff Credits

総合演出:浅野直広 / ディレクター:石井永二 / GP:田中直人 / プロデューサー:浅野直広、富田朋子 / 海外プロデューサー:津田環
AD:奥田円、松山紀惠 / 撮影:西徹、君野史幸 / VE:岩佐治彦 / 音効:細見浩三 / EED:米山滋 / MA:清水伸行
コーディネーター:春日山紀子、Raghunath Paudel、Pasang Lama / 翻訳:平野加奈江、Matthew Churchill
リポーター・日本語版ナレーター:華恵 / 英語版ナレーター:Deirdre Merrell-ikeda
制作:テレビマンユニオン

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